俺様のお姫様
「立てる?」


手を差し延べてみた。


陽夜ちゃんは泣きそうな顔で首をぶんぶんふる。


「すいません先輩、なんかご迷惑をかけっぱなしで。」


隣で陽夜ちゃんの友達、えーと、ななき…ちゃんだっけか?


が困った顔をして謝る。


「いや、それは別に。それより俺のせい…なんだよな。」


それに答えて陽夜ちゃんを見ると彼女は再び本に視線を戻し悲しい顔をしている。


ズキンッ…-


心が痛む。


しかしななきちゃんはこのあと意外な言葉を発した。


「いえ大丈夫です。こいつタフなんで。」


俺が陽夜ちゃんを見てそう言うとななきちゃんはあっさりそう言った。


「なにせ自分の身体より本の方が大事みたいなんで。」


続けて言う。


は…ははは。


苦笑する俺。


苦笑するしかなかった。


あっさりと簡単にななきちゃんがそう言うもんだから凄いとかそんなんじゃなく


驚いた。


それもかなり。


だって友達がこんな風になっているのに普通にしているんだぜ!


きっと俺だったらそうはいかないだろう。


「そっか、ならいいんだけど…」


その意外な発言に俺は頬をかいた。


どうするか。


「あ、…あぁ!!そうか。」


え?


ななきちゃんが手をぽんと叩く。


「神宮寺先輩お願いがあります。」


「はい?」



このあと俺の心臓は飛び出そうになった。
















『ここまできたらつっぱしりましょう。彼女、先輩に任せます。』
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