俺様のお姫様
あれはケーキなんだよな?


目をパチクリさせる。


それはまるでウエディングケーキのように。


食堂の天井に向かってそびえ立つケーキがあった。


「なんだ?」


友達が周りに聞く。


「えーっと…」


なんと言っていいのか分からないのだろう。

その子は言葉を選んでるようだった。


とそこでさっきの声がまた聞こえる。

「おいこら陽夜!!聞いてんのかって!!」


その声の主をさがしてみる。


そしたらケーキタワーの隣にいた。


「陽夜!!」


なんかケーキタワーに話しかけてる。


「聞いてるよ。」


動いた!?


いや、タワーが大きくて見えなかっただけだ。


タワーの後ろには小さな女の子がいた。


あの娘は…?


「全く。いつまで食べてんのよ!その大食いに肥らない体質羨ましいわ。」


タワーの隣で喋ってる女の子は小さな女の子を見て呆れ返っている。


大食い?


でも彼女は凄く小さい。


「~没収!!」


ん?


一度そう聞こえたと思うと小さい女の子はタワーの隣に立っていた女の子に引っ張られていた。


「あ!!ちょい奈々姫!!」


いとも簡単に引っ張る彼女。


彼女が力があるのか小さい女の子が軽いのか。


「問答無用!!さぁ行くぞ!!」


そうズカズカと引っ張り歩く彼女。


「やっ…やだー!!」


小さい女の子はそう叫ぶと脱兎の如く彼女から抜けだし俺に突進してきた。


「って…。」


ものの見事にクリーンヒット。


頭からみぞおちにくらった。


「いったぁ~い。」


言いながらむくりと起き上がる女の子。


あの、俺も痛いんだけど…。
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