俺様のお姫様
「っきゃっ…たぁ~…。」


投げられた。


不細工に転ぶ。


「あんたよくも私達の海紀様に!!」


へ?


何?


「覚悟はできてんだろーな!!」


えぇ!?


なんか迫って来たー!!!


「えっと…あのぉー何に怒ってらっしゃるのでしょうか…?」


なんか怖いなぁこの人達。


「何、に…だと?」

「てめぇまじで言ってんの?」


……あら?


あららららら?


絶体絶命って感じ?


「図々しいんだよ!!」


「結城 陽夜!!!」


「きっ………





やーーーーーーーーー!!!!」











ビリビリビリビリビリ…-


………今度は何?


一瞬にして何が起きたのかさっぱり分からない。


ただ気付いたら身体中がいたくなっていた。


目がかすむ。


「おい!!!まだ寝るのははえーぞ!!」

「いっ…」


髪を引っ張られて上を向けさせられる。


「これ…何か分かる?」


?????


「ほら!!あげる。」


そう言って何かを投げ付けられた。


…………。


視界を落とし見てみる。


「あ…!!!!!!!!」


驚きと苦しみ。


怒りと悲しみ。


どれをとればいいのか分からない。


それは私が愛してやまない本だった。


「な…で…」


声がでない。


「何故?愚問ね、あんたの鞄の中から取って来たに決まってるじゃない!!」


そ…な…。


その本はずたずたに。


ボロボロに。


本としての機能がないくらいにされていた。


涙がでてくる。


今…何が怒ってるのかも分からなくなる。


「っ…や…陽夜!!!」


はっとした。


奈々姫の声…?


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