俺様のお姫様
「何してるのよあんた達!!」


奈々姫の声がしたと思ったら目の前に影が落ちた。


「陽夜が何したっていうのよ!!」


そう聞こえるとフワリと抱き締められる感覚がくる。


「『何をした?』だと。そんなのこっちが聞きたいわ!!」


怒鳴られ私と奈々姫を引き剥がす。


「あんたは関係ないんだからそこで大人しく見てな!!」


まるで暴君のように。


まるで女帝のように。


多分神宮寺先輩ファン倶楽部の会長さんが私達に向かって怒鳴り散らす。


そして私はまたファン倶楽部の人達にまるで玩具のようにされた。


「…きゃっ…やっ…」


どんなに逃げようとも四方八方塞がれて。


「……陽夜!……この馬鹿!離せ!!」


奈々姫は必死で抑えられてるのを不利払おうともがく。


「陽夜は悪くないでしょ!」


そんな声空しくどんどん私の身体に傷がついていく。


「……やっ…やだ!!った…」


頭を抱え縮こまる。


必死だった。


私が一体何をしてこんなことになってるのか不思議でしょうがなかった。


助けて…助けてよ先輩。


「馬鹿!!」


奈々姫がもがきながらファン倶楽部の会員さん達に罵声を浴びせていた。











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「陽夜大丈夫?」


奈々姫が覗いてくる。


周りにはもうファン倶楽部さん達はいない。


「私何にもしてなぁーい!!」


私は奈々姫の顔を見るなりそう言った。


身体中痛いし目の前には…


「ま、しょうがない。」


奈々姫は眉をよせ困る。


「うわぁ~ん、私のらびがぁ。」


ボロボロになったお気にの本。


凄く大切だったのに。


幸せ気分MAXだったのに。


「結局そこかい!!」


今度は奈々姫にはたかれた。
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