狙われた超能力者〜鍵を握る少女〜
side琉紫
「はぁ…」
「お!琉紫がため息なんて珍しいな」
こいつは一瀬菱《いちのせりょう》俺の唯一の理解者
「珍しくないだろ…毎日毎日…」
俺はそういって教室の入り口をキッと睨んだ
「「キャーーッ!!!」」
叫ぶ女たち
「はぁ…」
「はは…まぁあれはしょうがないな…でもお前何か良いことあっただろ?」
「ん〜まあな」
「なにその反応!教えろよ」
「やだ」
「うわ!ひっでぇ〜」
あれからずっと俺は緋色のことが忘れられずにいた さすがに昨日のことは菱に言えないな…
「また会えっかなぁ…」
「何か言ったか?」
「別に…ってお前の彼女あの取り巻きから来たぞ」
「あ♪怜!」
「菱〜」
菱を見つけるなり走ってきた彼女
菱の彼女の名前は怜
学年で噂されるぐらいの美人
「もぅ…いっつもあれ邪魔!」
そう言って取り巻きを指差しながら俺に言ってきた
「俺に言うなよ…って言うかラブラブするなら余所でやれよ」
「あ!そうだ!!今日は女に冷たい琉紫に会わせたい子がいるんだ!ビックリするぐらい可愛いんだから」
一瞬緋色の顔が浮かんだ
「興味ねぇよ…」
女なんてウザいだけだろ…
まぁ…あいつは違うけどな…
緋色を思いながら自然とにやける顔
「気持ち悪いよ…琉紫」
「うるせぇ」
「おい!俺の存在無視してるだろ?」
「「うん」」
「うわ!ひっでぇ!!!」
嘆く菱…
「取りあえず用件済ませてクラスに帰れ」
「はいはい。分かりましたよ」
そう言って教室を出た怜