狙われた超能力者〜鍵を握る少女〜
『そう言えば君の名前は?』
男の子から離れて聞いた
「ぼく悟!」
『悟君か~いい名前だね!』
「えへへ~」
照れたように笑う悟君にまたしても抱き締めたい衝動にかられた…けど私が抱き締める前に紫琉君が悟君を抱き上げた
「(セーフだな…)」
そんなやり取りをしていると辺りは薄暗くなっていた
『もうこんな時間!授業サボっちゃった…』
「今更かよ」
少し落ち込む私に笑いながら紫琉君が言った
「お腹すいたー!」
『そっか…じゃあ帰ろっか』
そう言って私は悟君の手を掴んだ
「帰るってどこに?」
歩き出す私を制し紫琉君が尋ねた
『え?私の家だよ』
「…悟もか?」
『だってお家に1人置いてくわけにいかないし…それに今日から2週間くらいおばあちゃん旅行で居ないから』
「そっか…っていやいや!それは駄目だ!」
紫琉君がそう言ってとめに入った
『どうして?』
「え…いや…それは…」
そう言って口ごもってしまった
「悟が狙われないって保証はねーだろ?実際にお前も狙われてるわけだし…それなのに二人にできねーだろ?」
そう言う紫琉君の話に私は考え込んだ
「(ちょっと苦しかったか?いやだからって二人っきりにするのはいろんな意味で駄目だ)」
『それじゃー…』