狙われた超能力者〜鍵を握る少女〜
side琉柴
此処は昼も夜も光り輝く大都市東京…―
少し薄暗くなった空の下家路を急ぐ1人の少年
彼の名前は齋原 琉柴《さいもとりゅうし》
高校2年
…――
「やべっ…早く帰んねぇと」
辺りはすっかり暗くなり途中途中街灯の明かりがあるだけ
「暗くて気味悪りぃ…」
そう1人で呟いていると
カツン…
後ろから足音…
「マジ…ストーカー?な訳ねぇか」
角曲がったらダッシュすっか…
そう思って角を曲がった
ドスンッ…
「ぅわっ危ねぇ…」
ふとぶつかったものをみるとそこには全身を黒でまとった男が三人
「お前が齋原琉柴だな?」
三人の中では一番年のとった男が問いかけた
「そうだけど…何か?」
「齋原琉柴…一緒に来てもらおう」
…はぁ!?
「急に言われても困るんすけど…っ!?」
目の前では信じられない光景があった
後ろにいた1人の男が近くにあった噴水の水しぶきを氷に変え先のとがったつららがいくつも出来た
「痛い目に会いたくなかったら…一緒に来るんだ」
「ふざけんな!いくら何でもいくわけねぇだろ!!!」
「…はぁ。では仕方ない。あとは任せたぞ」
そう言うと一番年のとった男は闇に消えていった
何なんだよ!?
「では…痛い目にあってもらおう」
さっきまでとは違う低い声
ドクン…
こいつらヤバいっ
そう思った時には遅くもう1人の男がいくつものつららを手を触れずに浮かばせた
「は…?」
何で浮いてんだよ!!
つららの先端が全て俺に向けられた
そして男は手を振り落としたと同時につららが全てこっちに向かってきた
もう…駄目だ…
襲ってくるだろう痛みを覚悟して目を閉じた