【短編】 先生・・・好きだよ
20分ぐらいたつと・・・
「ごめんごめーん。」
「お母さん・・・」
「あれ?どうしたの?顔色悪いけど・・・」
「・・・・・・」
「え?眞深?」
「えっ?あっ・・・何?」
「何って・・・・こりゃすごい熱ね。早く帰りましょう。」
「・・・うん。」
本当は熱でぼーっとしているんじゃなかった。
いつもは榎本!って呼ぶ先生がいきなり眞深
って下の名前で呼んだのと、
いつもカナリ厳しくて、笑顔なんて見せない先生が
イキナリ笑顔や心配そうな顔で私を見るせいで・・・
キュンと、しちゃったんだよーーーー!!やっべー!!!
久しぶりのきゅんに心臓バクバク・・・・
頭の中は奥村先生の笑顔でいっぱいだし・・・
こりゃヤバイなぁ・・・・。
「あれ?母さん?」
「あら。祐汰。部活は?
」
「これから雨やんだからグランドに行こうかと思って。」
「そっ。まぁ頑張って。」
「それより、なんで母さんがここにいるの?」
「ぁあ。眞深が熱出したのよ。」
「眞深は?」
「あそこにいるは。さっきからボーっとしているのよ。おかしな子」
「・・・・ふーん。」
「じゃあ。お母さん達帰るわね。あの先生に言っておいてちょーだい」
「あの先生?」
「えっと・・・なんて言ったかしら・・・?あっ!そうそう。奥村先生!心配してくれていたみたいなのよ。」
「おっおく・・・奥村先生???」
「あら眞深。どうしたの?奥村先生がどうかした?」
「あ・・・ううん。なんでもない・・・」
「・・・くっそ」
「ん?祐汰いたの?」
「・・・。俺、部活行くから。」
「頑張ってねー」
祐汰のおかしな態度に気づかなかった。
いや、気づこうともしてなかったのかもしれない。
今でもあのとき気付いていればと・・・思う。
*