Very Berry CANDY POP
『先生…』



その唇に触れることは許されない。



『キス…して?』



どんなに煽られても、その唇に触れた別の男の感触を拭ってやりたくても…



ううん。記憶も何もかも今すぐ俺の全てで上書きしてまいたくても、



触れることは出来ない。



だって、俺は先生。



お前は生徒。



その関係を一度でも崩してしまったら、もう元には戻れない。



ううん。戻る自信がない。



だから出来ない。



何度も言うが、秘密の恋なんて…隠さなきゃいけないようなやましい気持ちのままお前に触れるなんて、俺自身が嫌だった。



そう。



これはただの“意地”だった。

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