Very Berry CANDY POP
放課後の保健室。



今週は中庭の掃除当番なのだろう。



俺は散らかった落ち葉の上に佇みながら箒片手にニコニコと満面の笑みを浮かべる想い人…坂下 杏奈を見つめながらフッと小さく笑みを零した。



掃いても掃いても風が吹くたび散らかる落ち葉。



しぶとくしがみついていた数枚が強風と共に散り、その長い髪に数枚舞い落ちる。



親友に何か言われたのだろう、ぷぅっと頬を膨らませ、フルフルと頭を振りながら落ち葉を落とす姿はガキそのもの。



なのに…



「“好き”……なんだよ…な。」



俺は白衣のポケットに手を突っ込むと、アイツ用にともう1つ買っていたアメをギュッと握りしめた。

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