君を抱きしめるから~光、たずさえて~
親戚中集まっても、のりおの正体を知っているのはえいちゃんだけだ。
「次期当主殿はお水で良いのですかな」
「ボク、お酒は一滴も飲めないんですよね。未成年だし。おじさんこそ今日は泊まっていって下さいね。お酒、たっぷりありますから」
「いいねえ、現当主様。次期当主様が如才ないと、円満に進む。この調子で今後も頼むよ」
まだ、酔ってもないのに良い調子。
「うまくおだてられてるんじゃないぞ、カツヨシ」
モシモシと餌を、もとい、飯を食ってる父がひそ、と言いおいた。
「飲んでるかね、成島のりおくん」
もうただのおいちゃんになってしまった、えいちゃんが、わはわはと肩を叩いてる。