君を抱きしめるから~光、たずさえて~
『か、考えておくよ』
『絶対だぞ』
『ああ、絶対だ』
『絶対のぜったいの、ぜっったいな』
『三回も言うな』
笑っちゃうから。
って、コトは笑っている場合ではなかったのだけれど。
だけどああいう性格に育ってしまったのはボクのせいなのかな……。
考えたくないけど。
(のりおに、心よりの平穏を与えてやって下さい、おきつねさま……)
ボクの願いが通じたワケではないのだろうけど。
ボクは深夜に目が覚めた。
パジャマの前をかきあわせつつ、がくがくと震えた。