君を抱きしめるから~光、たずさえて~
「ボクは相棒なんて言われてもやんないからね、お笑いなんて」


「くそう、先に言われたか」


「じゃあ、色っぽくなく、前期の宿題を終わらせますか」


 なっちゃんが言う。


 ちなみにボク達の中学は三学期制ではなく、秋休みを挟んでの前期と後期に分かれている。


 アメリカナイズされてるみたいだ。


 でもそれは一つの選択肢。
 

 学校だって有機的に変化して当たり前なんだ。


 そこに生きてる人間が、いる限り。


 なんにしろ、ボク達の青春はこれからだ。


 そして、ボクはその前の朝に遡(さかのぼ)って、黒ジャージの「先輩」の登校する道ばたに、れいの模型を置いてくるのを忘れなかった。
  
                 了
< 163 / 164 >

この作品をシェア

pagetop