君を抱きしめるから~光、たずさえて~






「買い食い? 俺じんましんだから」



 書類も無事回って来、先生の説明も終わった後、紅顔の美少年には断られた。



「じゃあなっちゃんに良い店聞くからいいや」



「やっぱいく。当然、おごりだよな」



「アレルギーなんじゃなかったの」



「水アレルギーなんだ」



 ボクは眉間にシワが寄るのがわかった。



「あれは世界で三十人と言われてるらしいな」



「知ってたか」



「水アレルギーが全力疾走なんかできるわけ無いだろ。シャワーどころか自分がかいた汗にすら激痛が走るっていうのに」



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