君を抱きしめるから~光、たずさえて~
「博覧強記だな」
「インターネットさえできる環境があれば、だれだってわかるさ」
「医療に興味あんの? 将来医者とか?」
なりたかったけど。
んー、と言ってボクは曖昧に続けた。
「ボクは家督を継ぐことになってるから」
「ああ、そうかよ。どうせ俺は就職組だ」
「何で怒ってるワケ?」
「おまえちゃんにはわからんよ」
「たとえなにかになりたくっても才能がなければ、親に従うしかないんだ。未知の世界で自分の力を試すなんてのは無理」