君を抱きしめるから~光、たずさえて~



「なっちゃん先輩そっくりな女の子がさー、ティーレックス人形くれるわけよ。うれしくてさーうほうほいいながら、大切に隠したところで目が覚めてー、ああ、夢かーと思って落胆してたら両親と兄貴がいっぺんに、なんか誕生日プレゼントみたくくれちゃってさ、重いよ、みたいな」



「ああ、それで三体も? 今も大切にしてるわけ?」



「そー」



「うれしかったんだなあ、のりお」



「うん、今考えるとナイよね、普通。プレゼントとはいえ、かぶりすぎ」



 彼がおもしろそうに笑った。


 十分、愛されてるじゃないか。


 もう、知ったことか。


 ボクまで吹き出してしまった。


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