君を抱きしめるから~光、たずさえて~
「いや、知らないよ。夢の話だし。だからって暴力ふるうとか、なかったんだし。良心回路は健在だぜ、夢の中でも」
「あれが良心とかいうレベルか? 子供脅してティーレックス盗って」
「知らないってば。夢だって言ってるだろー。俺ちゃん小三よ、その頃。兄貴の影響でガメラとキングギドラの対決バリに刷り込みよ」
ボクは他に他人を罵倒する言葉を知らなかった。
「ちくしょう! 悪魔め」
かつて恐ろしい体験をした反動で、強く当たってしまった。
多分のりおは悪気なんてないのに。
「なんだか知らないけど、君の夢の中でしたことは、許し難かったかも知れないけれど、俺にも制御不能な夢のことで怒られても」