君を抱きしめるから~光、たずさえて~
帰りになるとなっちゃんは先に帰ろうとしていた。冷たい……
「あら、かっちゃんはれいの彼とうちへくるつもりなんじゃなかったの。結局アドレス聞けなかったじゃない。連れてきなよ」
「いやだね」
ボクはふん、と横を向いた。
するとそっちからのりおがやってくる。
気が付いた!
もういかん!
と思ったら、顔をそらされた。
案外、テリトリーには気を遣ってくれるタイプなのかも。
「どうして? 朝にはあんなに仲良くしていたのに。なんかトラブルでもあった?」
なっちゃんは気遣わしそうに見てくる。
どうしようか迷ったが、思いきってたった今打ち明けよう。