君を抱きしめるから~光、たずさえて~
「ごめんな、あんな気休めみたいなこと、苦しんでる奴に言うべきじゃなかった」
「気休めじゃないよ」
ぱた、と細い手首を枕元に落として、起き上がろうとする。
なっちゃんが、気をつけて、と介助した。
あわててボクもフォローする。
「気休めじゃないって?」
「友達になろうって言った。背丈も伸びたし」
白い、病院みたいな壁際に古いカレンダーが下がってる。
遮光カーテンをさらりと揺らして、保健の先生が入ってきた。
「あら、お迎え? お友達なのね、よかった。少し貧血を起こしてたみたいだからもう少し休んでいくと良いわ。集団下校は守ってね」