君を抱きしめるから~光、たずさえて~
「なっちゃん、怖いのは飛行機事故であって、飛行機自体はただの乗り物だよ」
「理屈じゃなーい! それに沖縄は大昔の内に一応、日本に返還されたから!」
「そんな日差しの強い時期に南国目指すなんてどうかしてるー。北海道にすればいいのに」
「行くわよ、もちろん北海道は。冬場の修学旅行で」
「何考えてるんだこのガッコ。凍死するよ」
「そういうなら根本からこの学校を変えてみせてよ。冬場のスキーは喧嘩上等だ! てね」
「スキーは夏場に楽しみたいよね、涼とって、外国で」
「あのう……ちょ、いいすか。くるしいんですけど」
さすがにのりおがギヴアップ。
ボクの鼻血は止まらない。
結局、ベッド半分、のりおの上に乗り上がるように借り切った。