君を抱きしめるから~光、たずさえて~




 こうしてるとわかるんだけど、背丈の割にのりおって華奢だ。


 どうやら、一晩で筋肉だけは育たなかったらしい。


 細いなあ。


 ボクはベッドの上からどき、のりおの足のあるところにあたりをつけて上半身だけ、ベッドに対し横向きに、せめて頭が下にならないように寄りかからせてもらった。

 脚がベッドの下あたりでぶらぶらした。


 のりおが脚を引いて、スペースをくれる。



「なんでいきなり遠慮すんの? 変わってるなあ」



 いきなりじゃないよ。



「のりおにストレスあんまかけたくないから」



「おやさしいね。ま、いまさらだけど」



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