甘い瞳に囚われて。
―――…
「殿下!お仕度の準備はできましたか?そろそろお時間ですよ」
『あー…』
「って!まだ着替えてないじゃないですかっ!!もう、姫君らが大広間でお待ちしてますよ!」
『ち…っ』
ブチッ…
あ…しまった。
「舌打ちするな!!こっちだって、仕事なんだぞ!?」
先程まで敬語をつかっていた目の前の男は、俺の側近であり親友だ。
『…わかったよ。行くから』
「乗り気ではないのは分かるが、王の命令なんだから頼むよ」
『めんどくさい…未来の妃ぐらい自分で見つける』
「しかし、さっき覗いたら上等な姫君ばっかだったぞ?」
上等でも女は、名誉と欲の塊だ。
めんどくさい生き物には変わらない。
女たちには悪いが、この場で未来の妃を見つけるつもりはない。
適当に終わらせる…