甘い瞳に囚われて。





その発言に冷や汗が滲み出る私の肌。



「…どうしようか?」


ニコリと微笑むその笑顔は、私からみたら恐怖でしかない。


何をされるのやら、不安が積み重なってくる。



『…遠慮しておきます』



「ダメ」



私の言葉は虚しくスルーされた。



そのゼジルの視線は、私の首筋に集中していた。



それに気づいた私は「え?」と呟いた瞬間…


ゼジルは、視線を送った位置に顔を埋めた。



『ん…』



チクリ、と吸い付くように噛みつかれた感覚がよぎる。



その初めての感覚に自分でも出したことのない声を耳にすると、恥ずかしくなって体に熱が集まった。



いつの間にか顔を上げていたゼジルは、そんな私を見て…ふと、笑いやがった。







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