甘い瞳に囚われて。


『部屋に戻る…』



派手な衣装を纏う女達は、この言葉を発した瞬間に俺の周りに集ってくる…



「殿下、ぜひお供させてくださいな…」



露出が激しい女が、わざと俺の腕を絡み取り豊満な胸を押し付けて誘ってくる。


「殿下!ぜひ、私を…」


何十人もの女達は、家の為と同時に"俺"というブランドを手にいれたがる。



こんな奴らの中から嫁をもらうくらいなら、一生、独身でかまわない。



「殿下がお通りです!道を空けなさい」



親友であり殿下側近であるルイスが、俺から女を引き離し道を空けさせる。



『今日は、楽しかった。またお会いしましょう』



ニコリと作り笑いをし、真っ直ぐと部屋に戻った。



大広間では、作り笑いにも関わらず、ゼジルに酔うものばかりで満たされていた。




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