甘い瞳に囚われて。



『当たり前だ、俺を誰だと思っている?それより魔術師が何のようだ…』



城の離れに住むコイツが、わざわざ俺に会いに来るのは珍しい。



「ゼジル…お前はまだ妃どころか恋人すら見つけられないと聞いたが…」



『また、それか…今までこの国中の女達を城に招いたが、どうしても興味がもたないのだ。仕方がないだろう?』



「貴様…実は、男の方に興味があ…『それ以上言ったら殺す』



「ハイハイ…冗談は、さておき…このままじゃお前は一生独身だ。自分から周りを見ようとしないと運命の相手はでてこないぞ?」



運命の相手…、か



『ふっ…、俺にそんなものがあるのか分からないがな…別に俺は急いでいない。父上が、やり過ぎなんだ』



もう恋することを諦めたかのように見える一国の王子にロサは、あることをひらめいた。





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