甘い瞳に囚われて。
光が放たれ、目の前にいたゼジルが姿を消した。
ルイスは、呆然とするしかなかった。
「おぉーい、大丈夫か?」
パタパタと目の前で手を羽たつかせるロサの手を掴みルイスは慌てて、問いかけた。
「ゼジルに何をしたんだ!!?あれでも一国の王子だぞ!?」
「そう慌てなさんなって…ただ、ネズミの姿になって下町辺りに飛ばしただけだから」
「ハァァァ?ネズミって…」
「まぁ、話を聞け?」
ロサは、親友でもあり一国の王子がネズミにされ飛ばされたことにパニくっているルイスに、魔法の解き方までの流れをゆっくりと話した。
「はぁ…お前って言うヤツは…他にやり方はなかったのか」
「いやぁ、あの女に興味を持たない鈍感王子には一番の方法だと思ったんだよ。それに解き方だって簡単だろ?」
「確かにそうだが…」
「と、まぁ…早く王子の所に行ったほうがいいと思うぞ?結構、遠くまで飛ばしたし」
「何で行かないといけないんだ?」