甘い瞳に囚われて。
奴隷の私とケガしたネズミ。
「シィ!!そっちが終わったらトイレ掃除よ!!」
怒鳴る女主人。
「シィ!それが終わったら私の服をアイロンかけてちょうだい!」
何かとコキ使う義理の姉その一。
「シィっ!ミルクこぼしちゃった!拭いてちょうだいっ」
お菓子ばっかり食べて、お菓子を作れ!と命令ばっかりする義理の姉その二。
『はぁい!!只今っ行きます』
私は、この奴隷のような扱いに耐えなければいかない。
ここに来て2週間。
あの男達に拐われたと思ったら、この家に連れてこられた。
見たところ一応、裕福に見えるタナー家。恐らく、成金だろう。夫は遺産を残し、母と娘二人で暮らしているようだ。
主人は、その母だけど…娘のことは「姉さん」をつけるように言われた。
私は、この家に売られ使用人という形で雇われたが…結構、奴隷並みに重労働させられている。
だが…行くところがない今は、耐えるしかない。