甘い瞳に囚われて。
手当てを終え、シイカが道具を片付けているところに…
バタァン!!
「シィ!!さっさと夕飯の準備をしなさいよ!!」
金切り声で怒鳴る女が突然入ってきた。
「はい、只今…」
パシン!
『!!!』
女は、ドカドカと入ってきてシイカの頬を力強く叩いた。
「トロいのよ、アンタ。人間の癖に魔界にいる自体が気に入らないのよ」
「……」
シイカは、ただ黙るだけで反論しない。
何で、黙ってるんだ…悔しくないのか?
よく見ると、金きり声女は城に来た女だった。
名前…何だったっけ…
まぁ、どうでもいい。この態度の違い、こっちが素ってわけだ…
「ンな…っ!!何でこんな所にネズミがいるのよっ!!?」
女は、俺を鋭く睨み付けると物を投げてきた。
『――…ッ!!?』
この小さな体は、向かってきたクッションで簡単に弾き飛ばされた。