甘い瞳に囚われて。
「ちょっ!!やめて!!!!ケガしてるんだから!!」
シイカは、飛ばされ横たわる俺を優しく持ち上げて俺を守るように盾となった。
「何を騒いでいるのです?」
中年の女が、騒ぎを聞きつけ優雅な仕草でやってきた。
「お母様!!シィが、ネズミをこの家に入れたのよ!!」
中年の女は、ジロリと鋭い目でシイカと俺を見た。
「シィ…どういうことかしら?」
その冷たい声にシイカは、体を一瞬だけ震わせたが…
「ご主人様…この子はケガをしているので…しばらく私に世話をさせて頂けませんか?」
世話…?手当てをしてくれただけで十分なのに…
「まぁ…いいでしょう。あなたみたいな子にはお似合いでしてよ?」
「クスッ…そうですわ。このお部屋もその小汚ないネズミもあなたにはぴったりだわ」
冷たく吐いた言葉を投げ捨て、2人は部屋から出ていった。