甘い瞳に囚われて。
「週末にお城で舞踊会があるのです」
舞踊会…
まさにファンシーだなぁー…
『あのー…それで、このお金は…?』
渡された封筒には、お金が入っていた。
「…お前も行くのです。不本意ですが」
私は、そんな言葉に高速で瞬きをした。
『私も行けるのですか!?』
何回言わせるのよ、コイツ…と言うような目で見られた。
「国中の娘を招待し、交流を深めようという目的らしいのです。例え、娘ならば使用人も参加するように命令が出されたので仕方なくお前も連れていくことになりました」
へぇー…まさか、日本人には程遠いそんな華やかな場所に行けるなんて…ラッキー♪
そんな私に冷たい視線で、
「お前は、あくまで娘たちの引き立て役だということを忘れずに。なので、お前にドレスを買うつもりはないから自分で作りなさい…どんなものか気になりますけどね」