甘い瞳に囚われて。
しかし…普通の女の子なら泣き喚くはずだが、椎華は違った。
『あンの…ッ!クネクネ女めっ…これが令嬢のすることなの!!?』
頭に血が上り、この怒りを床にぶつけるようにバンバン!と叩きつけた。
『う"…っ、痛い…』
ここで、魔法使いが来たりしないかなぁ…私は、今まさにシンデレラ!っぽい状況!!
…夢見すぎか
『ははっ…別に舞踊会に行かなくてもいっか』
さぁて、どうし――…
「大丈夫?」
『……』
「結構、自虐的なんだ?」
目の前にはヘラッと笑う、美青年がベッドの上でこちらを見つめていた。
この部屋には私しかいないハズ…ついに幻覚かと思い両目をゴシゴシ!とかくが、そうではないらしい。
「ケケッ!俺に見とれてる?」
長身で長い足を組んで、ベッドに座る人物。
左耳の上には編み込みされており…綺麗な金色の髪であるその長めの前髪の隙間からは、グリーンの瞳が私を見つめている。
誰デスカ…?