甘い瞳に囚われて。



私がジィー…ッと目の前の男を凝視していると、男はゆっくりと立ち上がり私の前まで近づいてきた。



『だ、誰ですか!!?』


戦闘体制にポーズをとってると、男は前屈みになり私の視線の位置に合わせた。


近い!近いよ!お兄さんっ



近くで見る男は、仔犬のような潤った目をしていて…どこか、悪戯心がある感じ。女から見たらまさに整ったこの顔は、"王子様"。



『…不法侵入ですか?』



「ハハッ、まぁ不法侵入になるかな?それより…ネェちゃん、シイカだろ?」



『そうですけど…あなたは?』



「あ、俺?俺の名前はロ…おっと危ねぇ。名無しの魔術士とでも言っておこうか」



なんか…ヤバいのがきた。



「おっと、変な目で見るなよ?助けに来たんだぜ?」



『た、助けに?』




あわわ…まさかのまさか、怪しいけど魔法使いが来ちゃったよ…









< 50 / 105 >

この作品をシェア

pagetop