甘い瞳に囚われて。
私がジィー…ッと目の前の男を凝視していると、男はゆっくりと立ち上がり私の前まで近づいてきた。
『だ、誰ですか!!?』
戦闘体制にポーズをとってると、男は前屈みになり私の視線の位置に合わせた。
近い!近いよ!お兄さんっ
近くで見る男は、仔犬のような潤った目をしていて…どこか、悪戯心がある感じ。女から見たらまさに整ったこの顔は、"王子様"。
『…不法侵入ですか?』
「ハハッ、まぁ不法侵入になるかな?それより…ネェちゃん、シイカだろ?」
『そうですけど…あなたは?』
「あ、俺?俺の名前はロ…おっと危ねぇ。名無しの魔術士とでも言っておこうか」
なんか…ヤバいのがきた。
「おっと、変な目で見るなよ?助けに来たんだぜ?」
『た、助けに?』
あわわ…まさかのまさか、怪しいけど魔法使いが来ちゃったよ…