甘い瞳に囚われて。
「そうだ」と言い、目線を先程リビーに切り裂かれたドレスに移す名無しの魔術士様。
「ネェちゃん、ボロいワンピースで行くくらいなら舞踊会に行かないって思ってただろ?」
ズバリ、的中…。
「それに自分は、人間だし関係ねぇし?とか思ってるだろ?」
私が目を丸く見開くと…「やっぱりな」と、名無しの魔術士様がニヤリと笑った。
「ドレスのことは心配無用!この天才魔法使いである俺様が、あのブス女よりすっばらしーいドレスをネェちゃんにプレゼントしてやるぜ!」
「アッハハー!」といきなり笑いだした目の前にいる自称魔法使いに未だに唖然としている私。
リビーより、すっばらしーいドレスは困るんだけどな…
「さぁー!準備オッケェ!」
気がつくと、いつの間に書かれたのか私の周りに円が書かれており…さらに模様が描かれていた。
「そろそろ、時間だから急ぐぞ?目を閉じて」
何が起こるのか分からないまま、言われた通り目を閉じる。