甘い瞳に囚われて。
「チチンプイプイプーイ♪」
……。
あえて、ツッコミいれないで目を閉じているとパン!と両手を合わせるように叩く音が聞こえ…
ピカァァ―…ッ!!!
『!!!』
とっさに目を開けると眩しいくらいに光が放たれ、再び目を閉じてしまった。
「目を開けて」
低い声が聞こえ、ゆっくりと目を開けた。
『あれ…?』
目を開け、部屋を見回すと何も変わらない様子。
だけど、先程いた名無しの魔術士様の姿が無かった。
『なんだったんだろう?あの人』
意味が分からないまま、今日の舞踊会をどうするか悩んでいた。
―バタァァン!!!―
突然、開かれた扉にビク!と肩を震わせると…そこにはド派手真っ赤なドレスを身にまとったリビーがいらっしゃった。
「そろそろ、行くわよ。ボロいワンピースの準備でき…」
ついに出発することを言いに来たリビーが、いきなり言葉をつまらせ目を限界までに見開いていた。