甘い瞳に囚われて。
「ど…、どうしたのよ!!?それっ!!!」
ワナワナと顔を真っ赤にして、私の方へ指差すリビー。
『え?』
リビーの目線に合わせて下向くと…
『はぁ!!?何これェ!!?』
「こっちの台詞よ!!使用人の分際で、どういうつもりよ!!」
怒鳴り声を投げ飛ばすリビーをスルーし…私は、目を何度も何度も瞬きをして状況を理解しようと必死だった。
驚くも同然。
だって、私の格好…
綺麗なドレスを着ているんだもん。
あの…ボロいワンピースから今まで着たことのない綺麗なドレス。
シンプルだけど、胸元は黒いレースで大人っぽくしてあり…スカートはふんわりと押さえ目にボリュームがある水色の綺麗めなドレスだ。
私にはもったいないくらい…
全身ミラーで見てみると、髪も揺る巻きでアップされていて…身長が低い私でも大人っぽく見える。
私をこんな綺麗な姿にしたのは…、
ヤツしかいない…
『名無しの魔術士…?』