甘い瞳に囚われて。
ガタンッ、ガタン…
『……』
ユラユラとリズム感良く揺れる馬車の中は、冷たく重い空気が漂う。
義理の姉その二は、無理矢理着たせいか分厚い肉がタプタプと揺れているにも関わらずにバリバリとお菓子を頬張っている。
ご主人様は、外を眺めているが…私が予想以上にちゃんとしたドレスを着ているから気にくわない様子。
そして、私を引き立て役にしようと企んでいたリビーは、綺麗なドレスを着ている私を凄い形相で睨んでいる。
人間を馬鹿にするなよ、とは口が裂けても言える状況ではない。
今は城に着き、門の中に入るため並んでいる。
早く降ろして、と願う私は…ジィーッと、門まで綺麗に整列している兵隊さんの中で目に入った兵隊さんを睨んでいた。
しかし…、
あ。
目逸らされた。