甘い瞳に囚われて。




やっと、中に通され舞踏会が始まった。


タナー家とは別行動となり、リビーは前の方へと流れていった。



なぜか、そこには綺麗にお洒落した女の子達で集まって「キャーキャー」騒ぐ声が聞こえた。



『こんなとこにいると、元の世界が夢みたいだなぁ』



そう呟いてしまうのは、当たり前。



ここまでの辿り着くまで複雑な回廊を歩き回り、敷地が果てしなく一つの島みたいなお城。



中も外も、ヨーロッパにはないと思うくらい立派で清潔感が溢れれている。



だけど、このお嬢様方は根性悪いのがほとんどだった。



耳を傾けると、




「今日こそ王子と寝るわ」

「あなた、鏡見てから言いなさいよ。財産も名誉も私が頂くわ」


自分も鏡見てから言えっつぅの。



この子たちは、"交流"が目的であるこの舞踏会で、そういう"欲"を得に来たらしい。


あー…やだやだ。








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