甘い瞳に囚われて。
『知らない人には着いていかない』
私が、プイッと顔を背けると名無しの魔術士様は「困ったなー」と頬をかいた。
「知らない人って…お前、今まで誰と話してたんだよ?」
『グリーンの目の名無し魔術士様。名前も教えてくれないのに着いていくわけないでしょ。私、この世界の人じゃないし…警戒心バリバリだよ』
「へぇ…やっぱり珍しい女だなー。あっちにいるお嬢様方だと直ぐに着いてくるのに」
偉そうに腕を組んで、珍獣をみるような目で見てきた。
「俺の名は、ロサ・べッサム。ついでに21歳!じゃあ、行こうかー」
それでも私が動かずにジッとしていると、彼は「美味しいモノ食べさせてやる」と言うのが聞こえたから着いていった。
そんな私に「…お前、ガキかよ」と、呆れた目を向けられたが無視してトコトコと着いていった。
コイツに着いていったおかげで、私の生活がガラリと変わったんだ。
そして、再び…スカイブルーの瞳と出会うことによって――…