甘い瞳に囚われて。
《ゼジル Side》
シイカ…
たった数日間会わなかっただけなのにも関わらず、俺は長く感じた。
次期魔王継承者として同じような日々を過ごしてきた俺が、お前のような女と出会ったのは貴重なことだ。
周りの女と違う言葉使い、活発な性格…予測出来ない行動、そんなお前に興味を持った。
ネズミの姿であった俺から見たお前は、でかく見えたが…今はチビに見える。
150センチ前後であろう。真っ黒な髪に、意思が通った澄んだ暗黒な瞳。
可愛らしさを持つ外見とは違って、中身は猫のように自由奔放な性格。
最初に出会った時よりお前という存在が見えてきて、これからも楽しませてもらいたいと思ったんだ。
― "人間界に戻るまでよろしくお願いします"―
なぁ…その時、俺は頷いたが…
お前を帰すつもりないから。
こんなに気に入ったモノを手放すわけないだろう?
この俺に気に入られたんだ。
光栄に思えよ、シイカ――…?