甘い瞳に囚われて。
私より背が格段に高い王子に私は、口を開けて目を見開いていた。
『…冗談でしょ?』
いかにも貴族の部屋!って感じで、ふかふかなベッドに広いベランダに…部屋の中にさらに扉がいくつかある。
「冗談だけど」
この一言に私はホッとした。
だよねー…若い男女同士が同じ部屋はよくないでしょぉうが。それにさっき会ったばっかりなのにさっ!しかも、この国の王子様!
…と、思ったつかの間―、
「…なんて、言うと思ったか」
『へ?』
顔を見上げると、ニヤリとした王子が私を見下ろしていた。
「今日から俺とシィの部屋」
『は!!?』
「いやー、これから楽しみだな」
呆然としている私に気づかない振りをして、「ハッハッ」と…なんともまぁ、不気味な笑い声を溢しつつ椅子に座ろうとしている。
『ちょーっと!待ったァァ!!』
「何?」
『な・ん・で!王子と同じ部屋なのさっ』
鼻息を荒くした私に当の本人は、あっけらかんとした表情でこう答えた。
「何でって…シィは俺のモノだろう?」