甘い瞳に囚われて。
サァー…
目の前には、木や草花が視界いっぱいに広がっている。
心地よい風が横切り、椎華の艶のある綺麗な黒髪を揺らす。
右を見ても、
左を見ても…
果てしない緑と晴天な太陽の光だけが映る。
『家のトイレって、こんな広かったっけ…?』
「ん"ー…」と腕を顎に当てて考えるが、どう考えても今まで過ごしてきた家のトイレではない。
『きっと、幻覚をみてるんだっ!そうに違いないっ』
自分に言い聞かせて、後ろを向きトイレ?から出ようと扉の方へ手を伸ばした。
うん。伸ばしたよ?
だけど…握るものがないんだ。
っていうか…
『扉がないィィ!!?』
んなバカな。