甘い瞳に囚われて。
名前で呼べよ。
――…
「ゼジル」
声がする方へ顔を向けると、そこには綺麗な青年がいた。
「シィ、こいつはルイス」
「初めまして。シイカ様。私は、ルイス・ケレンと申します」
ニコリと穏やかに笑う青年につい見とれてしまった。
ブラウンの少し癖がついた髪、
優しさを放つ金色の瞳、
見るからに大人な雰囲気を放ち出す優雅な仕草、
この世界は、イケメンだらけなのかって思うほど…男女整った人たちばかり。
「シィ?」
ゼジルの心配そうな声が聞こえ、ハッ!とした。
『初めまして!私は、橘 椎華です。あ、敬語は止めてください、そんな身分じゃないので』
「シイカ様は、お客様なので敬語を使う立場ですが…シイカ様のご要望ならば、そうさせて頂きます」
『はい!じゃあ、お互いタメ口で!!』
なんか、この世界に来て初めてちゃんと挨拶をしてくれる人と出会ったかも。
「…ロサはどうした?」
私がルイスに、ニコニコとしていると何故か、ちょっと不機嫌になったゼジルが声を出した。