甘い瞳に囚われて。
「…早く来いよ」
中々、動かない私にしびれを切らしたのか…、私の腕を思いっきり引っ張り ボフン! とベッドに流れ込んだ。
『…っ!いきなり引っ張るなっ!』
顔を上げ、ゼジルの方へ体を向けようとしたが…、ゼジルによって果たせなかった。
体を向けようとしたが、瞬時に私のお腹にゼジルの腕が伸びてきて―、ギュッ! 、と力強く抱き締められたのだ。
『ちょっ!タンマッ!何しやがんでィ!!』
背中に感じる心地よい体温に動揺を隠せない椎華は、ジタバタと足を動かした。
『!!!』
だが、その動きを止めようとゼジルは足さえも絡めてきた。
…墓穴。
体全体に感じる温度は、椎華の心臓を活発にした。
そんな状況の中、後ろから低い声で呟くのが聞こえた。
「"でィ"って何だよ?」