甘い瞳に囚われて。




『いいから!離しやがれいっ!!』



力を入れても、私より大きいヤツの体に当然ながら勝てなくて…










「満足したか?」



小さい子を見るような声で話しかけてくるゼジルに頷いてしまった。



私は、無駄に使った体力を使い果たし諦め状態になった。



「シィ、お前が初めてだ」



『…何が?』



私の不貞くされた声にゼジルは、ククッ と喉の奥で笑った。


「王子である俺に媚びずに負けじと突っかかってくる女」



『どうせ、図太い女ですよ…』



「誉めてるんだけどね」



『誉めてんの?私、嬉しくないけど』



眠くなってきて、声を出す力が弱まってきた。



「…寝るぞ」



『うん…』




この言葉と同時に私は瞼を閉じ、眠りについてしまった。



「…寝るの早いな。」



猫のように小さな体を丸め、寝ている椎華をギュッ…と抱きしめ、頭にキスをした。




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