甘い瞳に囚われて。
―――――――――――…
『暇』
私の一言にチラリと横目で見る王子様。
王子の頬には、朝…、つい私の拳がはいってしまったキレ~な手形が赤く目立っている。
…まだ、不機嫌だなぁー…
『ひまーひまー』
「……」
こいつ…っ!!意地でも沈黙を保つつもりだ!!
唇を突きだし、足をブンブンと振っていると、静かに王子と仕事をしていたルイスが顔を私の方へ向けた。
「シイカちゃん、城の中でも見学してきたら?俺もゼジルも執務だし、ただ座ってるのも可哀想だしね」
『ほんと!?行ってくる!!ルイスありがとうっ。大好きだよー』
ニッコニッコとルイスに微笑み返すと、ルイスも「それはどうも」と、ニッコリと返してくれた。
『じゃあ、行ってきまーす』
いそいそと立ち上がり、扉の方へ向かおうと王子とルイスの横を通りすがろうとした瞬間…、
ぐい…っ
『う、わっ!?』
腕を引っ張られ トサッ と何かの上に落とされた。