甘い瞳に囚われて。
無言で、さらに無表情のまま私をふく王子に「謝らなきゃ!」と思い…ガシ!と王子の両手の動きを止めるように握った。
『ごめんなさい!!回廊をビチャビチャにしてごめんっ』
私は、必死に頭を上下に振りながら謝っていると上から溜め息をする音が聞こえた。
ガシ。
何故か頭を捕まれた。
「シィ…それが原因で俺が怒ってると言う訳じゃないだろうな?」
王子は、私と視線を合わせるようにしゃがみこみ「ん?」と私の返事を待つ。
『…違うの?』
「俺は、そんなことで怒ってるんじゃない」
キリッと眉を上げて、いつも甘いスカイブルーの瞳は力強く私を見つめていた。
『じゃあ、何に怒ってるわけ?』
「……」
シカトかい…っ!!