甘い瞳に囚われて。
「シィ…天真爛漫で活発なのはお前らしいが…」
『え?』
再び、うつむき溜め息をついた王子は…
バッ!と顔を上げ、
「こんな寒い時に水を浴びる馬鹿がいるかっ!!!?」
ビクゥゥ!!
いきなり声を上げた王子の怒鳴り声に驚いた。
確かに今日は冷える。だけど、そんな大袈裟に寒いっていう季節でもない。
「風邪ひいたらどうするんだ!!?」
「中々、戻らないから探しに行ってやったのに…どれだけ心配させる気だ!!!」
「こんなに冷やしやがって!!!」
………。
私は、言葉を失った。
昨日会ったばかりだけど、こんなにも取り乱す王子は珍しい。
なんか、オカンみたいだ…
『ご、ごごめんなさいィィっ』
新発見。
王子は、心配性である。