~天に背いて~<~天に送る風~第二部>
「マグヌスを、マグヌムを救いたいか? 少なくとも私はそう思っているが」
「ボクなんかに、わたくしなどに、できるのでしょうか? できるなら、わたくしにできるならそうしたい。けれど!」
もう、取り返しは付かない。彼の大切な弟はこの手で命を絶ってしまった。
「今は後悔をしている場合ではない。今ならまだ、彼を救う方法が残っている」
「マグヌム殿、彼をですか?」
「ああ、しかも時間がない。あと三日の内に冥府へつながる道を見つけねばならない。そこから彼の魂を引き上げるのだ」
もちろん、彼は自分の生き死にには関心を持たないかも知れないが、と王子は付け加えた。