~天に背いて~<~天に送る風~第二部>
第十一章 竜の魂
さて、思いの外、王子は熱心だった。
「またあのキレの良い嫌味が聞きたくてな」
うんざり、といった様子で冗談まで飛び出す始末。
その間にも、彼の手元で書類文献が舞い、太古のタブレットまで引き寄せられている。
「神聖文字まで。王子が語学にご堪能とは存じ上げませんでした」
と、見ると一つ、二つ、ひび割れた物がある。
「触るなよ、端の方から欠けてくる」