~天に背いて~<~天に送る風~第二部>
第十三章 還ってこい
(お気の毒に、あのように顔色まで変えても、困難に立ち向かわれようとなさっている。よし、それならば王子のお背中はこの、ボクがお守りしてみせる!)
砂漠だらけの中、堅固な城の門にまで歩いて達するのは不可能と思い、外壁の側面を登ることになった。
しかし、背の立つ処にたどり着くまでには、底など知れたものではない沼地を越えねばならない。
王子の背後に面するのはアレキサンドラには当然だったが、サフィールには異常に思えた。
「な、なあ、どうして私の後ろに立つんだ」
「さて、言わずもがなと思いましたが」